二本柳慶一
Keiichi Nihonyanagi


Profile
二本柳慶一建築研究所 代表
函館市青柳町 39-12

1955 函館市生まれ
    道立函館工業高等学校建築科卒
    キクチ設計事務所勤務
1988 二本柳慶一建築研究所設立 現在に至る



OFFICE



はこだて海鮮市場



函館市文学館



函館西波止場



函館ビール



函館ラ・サール学園食堂棟



ドムス富岡 II
雑誌・商店建築の連載と、雑誌・建築知識の新連載の取材で、札幌を経由して、列車で函館に行った。函館は、札幌より涼しい。

北大の角幸博さんに紹介された建築家の二本柳さんは、まだ、40才を過ぎたばかりの精鋭であり、好男子である。
彼の事務所は、函館の町外れの、潮の香り豊かな波打ち際にあった。
「台風がなければ、とてもいいんですが...」
と、若い所員の川上美樹さんもいう。
なるほど、窓ガラスは、見事?に塩で汚れている。掃除しても、キリがないだろう。無精な人間には、とてもメンテナンスできそうもない。けれど、隣接する小さな港の長い堤防には、釣りを親しむ日もある私に、憧れを抱かせた。何でも、古いアパートを改修して事務所にしたらしい。函館の町は、小樽より観光化が進んでいないのか、清々とした印象だ。歩いている人の量が違う。これ以上、観光化が進めば、魅力は失われていく。小樽、函館、横浜、神戸、いずれも独特の香りを持つ港町だが、静かで、素敵な港町の面積が、何とか保たれているのは、函館くらいだろう。それでも金森倉庫群の辺りは観光バスが列を成して、近寄りたくない雰囲気になっている。町としては、大歓迎なのだろう。地域の活性化と観光化を切り離すことは難しい。
「電柱を取り払って、その数だけ緑を増やせば、素敵な町になるし、人の群れも隠れて気にならないよ」
と、二本柳さんに提案した。明治館などの前の道路に並ぶバスも見苦しい。少し離れた、見えない所にバス溜まりを作る必要もある。観光客を歩かせ、函館の町を楽しませる必要がある。足の弱い人には、観光用小型のろり〜バスなんてものでも走らせれば良い。土産物屋に一目散という、無粋な観光を促しているのは、実は、迎える町の低俗さかも知れない。

川上さんの案内で、二本柳さんの作品を見て歩いた。玉石混交だが「頑張っている」との実感はある。所員10数名を支えていく苦労は大変だろうが、かと言って、粗製乱造になっては困る。二本柳さんは、これからの函館の町造りを背負って立つ一人であることは、間違いないからだ。自己を粗末にしないで、良質な物創りに励んで欲しいものである。
事務所を巨大化することなどハイセンスな事ではない。少数精鋭で、函館の潮風を十分に孕んで、順風満帆の明日を、自己の為、港町の為に築いて欲しい。ともかく、また会うのが楽しみな人である。私が生きていれば...の話だが。
「それにしても、良い環境のオフィスだなぁ...でも、自分だと仕事しないで、釣りばかりしているかも...」
と言ったら、川上さんが笑った。
多分、呆れられたのだろう。


WORKS
1990 キャラウェイ39(共同住宅)
1991 はこだて海鮮市場
    函館オルゴール明治館リニューアル
1992 北陵建設社屋
    函館市文学館(旧第一銀行函館支店改修、転用)
1993 ふれあい湯遊館
    マルカツスポーツセンター
    HILLS CREST TOMIOKA(共同住宅)
1994 鹿部町コミュニティセンター
    道立少年自然の家
    ビッレジ湯浜
    函館西波止場
1995 奥尻海洋青年センター
    生鮮夢市場 宝来店
1996 生鮮夢市場 港店
    北営工業マンション
    はこだて自由市場
    クレシェンテ湯川(福利厚生施設)
    ふるる函館 函館市青少年研修センター
1997 函館ビールリニューアル
    函館ラ・サール学園中学校
1998 石川町複合商業施設
    「なとわ・えさん」交流センター
    函館ラ・サール学園食堂棟
    その他多数


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